気の赴くままに

日々の記録です。

アイドルとヲタクの話

これはとあるヲタクから自分に「書いてくれ」、と頼んできたから書いている。

 

彼がアイドルに思うこと、ドルヲタに思うこと、双方への思いをここでは彼に代わって代弁する。

 

ちなみに彼はドルヲタを辞め、2次元のヲタクとなっている。

 

そして彼がこれを書いてくれと言ってから草稿こそ書いたが、しばらーーーく寝かせてみた。

 

角を落として整えて今この記事の公開に至る。

 

 

 

先ずアイドルさんに向けた彼の強い感情を代弁する。

 

ひとくくりに"ドルヲタ"といっても、グループが大きくなることを願って応援している人、軽い気持ちでワンチャン狙っている人、人生全ツッパして狙ってる人、いろんな人がいる。

 

ヲタクは皆、程度こそ違えど金も時間もかけてやっていて、中には人生かけてやってる奴もいたりする。

 

だから簡単にバックれたり彼氏バレしたりするな。

 

辞めろとも彼氏作るなとも一切言わない。

 

アイドルという職業である以上、それを真面目に全うしてくれ、彼はそう切に願っている。

 

これは自分自身も共通意識であって、何を隠そう私自身が

 

かわいい子には彼氏がいる

 

彼氏がいないかわいい子には"何か"がある

 

と常々言っているからだ。

 

かわいいんだから彼氏はいて当たり前。

 

でもそれをうまく隠し通すのがアイドルという立場である以上最低限の務めであることに違いはない。

 

 

また、あくまでもこれはレアパターンだが、場合によっては本当に他人の人生をアイドルが預かっているに等しい場合もある。

 

ここでも程度は人によりけりだが、ヲタ活したくて地方から都心の大学に進学したり、逆に地方の大学に進学、推しのいる地に進学、転職するといったこともありうる。

 

事実、地方のドルヲタの都市部進学率は(統計的じゃなくあくまで感覚的なものだが)突出して高い。

 

進学、就職、こういった人生の要所要所においてアイドルという存在が大きく関係してくることも大いにあるわけで、そこまで大それた選択とまで行かなくとも推しに会うために生活費を切り詰めたりアルバイトをしたり、大なり小なりアイドルという立場は他人の人生のキーマンとなりうるのである。

 

こうやって書くと一言にアイドルと言うが、想像以上に責任感のある職業であることがわかってもらえるかと思う。

 

もちろん人生全ツッパしてるだなんてそのヲタクは口では言わないだろうし、周囲からもそうは見えないかもしれない。

 

けれど多かれ少なかれ確実にそういう人は存在する。

 

実際自分もそういう人を何人も見てきていて、だからこそこういう意思表明をしたいって人に取って代わって文章を書いた。

 

この人種の"多少"はそのアイドルの人間性など、そういったところも複合的に絡んでくるのかもしれないが、今回そこには言及しないでおく。

 

あくまでもここで言いたいのは、何が本音かわからないし、アイドルとヲタクの関係性である以上、わかる余地はないということだ。

 

この関係性はあまりに非情で、金銭をもって成立するものである。

 

アイドル本人に入る額はもちろん所属によって待遇が違うし一概には言えないが、大きいとは言えないだろう。

 

企業体を成すにはコストが発生し、すべてをアイドル自身にリターンできないからである。

 

しかしその裏には当たり前だが大きいが額が揺れ動いている。

 

箱代、D代という直接的にアイドルに入る可能性の薄いお金、チェキという間接的に推しに入るはずのお金、会場までの交通費というアイドルどころか運営にすら一銭も入らないお金、現場で関わるヲタ仲間との交遊費、これ以外にも推しに会うために多方面にお金をかけるのがヲタクという生き物である。

 

お金を払ってでも会いたい、そう思わせることのできるアイドルっていう存在はとっても偉大だし、誰にでもできることじゃない。だからそこは誇りに思うべきところ。

 

だからこそ、軽い気持ちで物事やるもんじゃない。

 

裏アカもリア垢も愚痴アカもなにがあろうが構わないし、彼氏だっていてもいい。

 

バレないようにうまくこなすことが肝心なのだ。

 

そのためには絡む友達はちゃんと選ぶべき。

 

数々のアイドルの彼氏バレスキャンダル等々、一線を超えた話をする相手を吟味できなかったが故の結果である場合が大半だ。

 

愚痴を言うも結構、彼氏がいるも結構、要はそれを職業上うまく隠すために交友関係は精査した方が自分の先々のためになる。もっと言うと、敵を作らないような立ち回りをこなせさえすればそれ以上の何を求めることもない。

 

 

そしてアイドルもヲタクも互いに感謝は忘れてはいけない。

 

本当に迷惑な輩は塩対応で干してもいい(というかそうすべきだろう)が、お互いがモチベーションになるような、そんな関係性がベストなのではなかろうか。

 

 

 

 

ここからは彼がヲタクに思うところ。

 

推しの見えるところで醜態を晒すことは控えた方がいい。これは推しとヲタクとお互いのため。

 

推しからすればどんぐりの背比べでしかないマウントはスルーすべき。周りもアイドルも然り。

 

そういうのは仲間内で外に見えないところでやるべき。

 

どれだけイキっても結局最後はいかに推しに貢献したか、それに尽きる。

 

何をどうすれば推しに貢献できるかはもちろんアイドルによるだろうが、大半は使った金額が直接的貢献であることに違いない。

 

イベントに知り合いを誘ってみたり、そういう告知面、応援コメントといった間接的貢献ももちろん大事だし、それができる人はヲタクとして強みではある。もちろん人によっちゃそういうことができない人もいるから、得手不得手の話になってくる。

 

だからこそヲタクも敵を作らないに越したことはないし、共助できれば推しに貢献できる幅は広がるだろう。

 

とはいえできる幅はもちろん限られるし、何よりも大事なのは「人に迷惑をかけないで自分が納得できるやり方」をする、これに尽きる。

 

無理して貢ぐ必要もなければ無理して共助関係を構築しろとも言わないが、人の楽しみを害するような、迷惑をかけるようなことは慎むべきである。

 

マウントも本音も内々に留めるべきだし、まぁそういう意味でもヲタ同士の人間関係の構築って大事になってくるのだけれども。

 

そして最後に納得できる形で離れるなり見送るなりできれば、お互いがいいのではなかろうか。

 

これが金銭で成り立つ関係性とひとくくりに言いきれないややこしさではある。

 

 

 

ここまで深く考えているヲタクもアイドルもなかなかいないとは思う。

 

けれど心の片隅にそんな考えもあるって置いておくと人のため、自分のため、そして推しのためになるんじゃないかな。

 

って彼が熱く語ってて、自分も共感するところが多々あった。

 

そんな彼からいつ頃だっただろうか、「自分の言語力だと無理だからお前にひとつ書いてほしいものがある」と頼まれた。

 

彼がこう考えるに至るまでに色々あった。

 

彼の名誉のために深くは触れないでおくが、彼はアイドルヲタクという、ひとつの趣味に過ぎないそれに人生を大きく変えられた過去を持つ。

 

だからこそ強い意志を以て自分に頼んできたのであって。

 

まぁ皮肉にもそれがなければ私と彼とは出会っていないのだが。

 

世の中なにがあるかわかりませんな。